親鸞聖人の正しい教えとは

今日の言葉

「闇」に泣いた人だけに「光」に遇った笑いがある 「闇」に泣いた人だけに「光」に遇った笑いがあり、
「沈んで」いた人にのみ「浮かんだ」という歓喜がある。

新着情報

  • 「『なぜ生きる2』が全国の書店で発売となりました」[>]
    「釈尊が仏教を説かれた目的は何か](10/9)[>]
    「欲しい物が手に入れば本望](9/6)[>]
    「仏教とは、一言でどんな教えか](9/12)[>]
    「親鸞聖人はなぜ、非僧非俗と言われたのか](9/1)[>]
    「親鸞聖人に弟子はなかったのか](8/19)[>]

著作の紹介

歎異抄をひらく

親鸞聖人の言葉で
生き方・人生を見つめ直す

なぜ、善人よりも悪人なのか。
なぜ、この世に、まことは一つもないと断言できるのか。
『歎異抄』の謎が解けた時、私たちの幸せ観、人間観、仏教観は、一変するでしょう。

歎異抄をひらく


人生・仏事なぜなぜ問答

他力本願と弱い人間

 強そうで弱いものは歯であり、弱そうで強いものは舌だといわれます。
 そういえば、バリバリ何でも噛み砕く歯は、一見、強そうに見えますが案外もろく、世間には、歯抜け爺さんや婆さんが一杯います。
 それに対して、弱そうに見えるコンニャクのような舌は、生涯、抜けもせねば短くもなりませんから、世間には、舌抜け婆さんがいないので困っている者もあるようです。おしゃべりや、おせっかいに困惑している人たちからは、強靱な老人の舌は、公害の1つぐらいに思われているのかもしれません。
 同じように人生にも、強そうで弱いものと、弱そうで強いものとがあります。
 釈尊は、金や財産や、名誉や権力を持っている者は、一見、強そうに見えるが、本当は弱いものだとおっしゃっています。それに反して、弥陀に救われ、絶対の幸福に生かされている者は、他力の信心などといわれるから、他人に頼る弱い人間のように思われるかもしれませんが、いざ鎌倉という時には、不思議な力を発揮するものだから、強い人間だと言われています。
 そういえば、日本を一握りにし、難攻不落の大坂城を築き、天下に号令した太閤も、辞世の言葉は哀れなものでしかありませんでした。「露とおち 露と消えにし 我が身かな 難波のことも 夢のまた夢」。淋しく息を引きとっています。
 釈尊のご金言通り、そこには、天下人としての面影はありません。
 遠くは、欧州全土を席巻したナポレオンや、アレキサンダー、ジンギスカンも、回天の大事業を成し遂げましたが、人類に、一体、何を残したというのでしょうか。大観すれば、ただひとときの夢のたわむれにすぎません。
 それに比して、三軍を叱咤した織田信長が、大坂の石山城にこもる町人や農民の浄土真宗の門徒軍を、10年以上も包囲し攻撃しましたが、ついに陥落させることができませんでした。
 頼山陽をして、「抜き難し、南無六字の城」と感嘆せしめたことは、余りにも有名なことです。
 近くは、日本を不敗の神国と狂信し、世界を相手に宣戦した立て役者、東条英機も、緒戦のカクカクたる戦果をあげていた時分は、騎虎の勢いでありましたが、一敗地にまみれ、A級戦犯の筆頭として、板敷きの上にワラ布団をおき、5枚の毛布のほかは、何も持ち込めない巣鴨の刑務所にぶちこまれ、軍事法廷に立たされるや、かつての、総理、陸相、参謀総長、内務、文部、軍需、外務の各大臣を歴任した威厳は微塵もなく、孤影悄然たる姿に、人間本来の相を見せつけられた思いを、皆したはずです。
 しかも、その彼が、一度、仏縁に恵まれ大慈大悲の阿弥陀仏の本願に値うや、死刑直前に、
「さらばなり 有為の奥山 今日こえて 弥陀のみもとに ゆくぞ嬉しき」
「明日よりは 誰にはばかる ところなく 弥陀のみもとで のびのびと寝ん」
「日も月も 蛍の光 さながらに 行く手に弥陀の 光輝く」
と遺しています。
 人間のつけた、一切の虚飾を振るい落とされた、そこにあるものは、かよわき葦のような、罪悪にまみれた自己でしかありません。
 悪夢から覚めた彼は、大罪を犯したが、多生にも億劫にもあい難い、弥陀の救いに値えたこと一つが有り難かったと、絞首台に勇み足で立ったといわれています。
 財産は、地変に遭えば潰れます。建物は、災禍に遭えば灰になります。名誉や地位の箔は、死の前には執着を増すばかりです。妻子は、輪廻の仲だちにしかなりません。
 すべてが、一朝の夢にしかすぎないことが分かれば、永劫、生き抜く他力の信心を獲られた親鸞聖人のたくましさも、蓮如上人の無碍の活動も理解されることと思います。
 人々の、他力本願の無知誤解を打ち破り、真実の仏法を開顕することは、私たちに与えられた無上の使命です。大いに勝縁をとらえて光に向かいましょう。

 

『親鸞聖人の花びら』藤の巻より)

  • なぜなぜ問答を読む
  • 著作朗読を聴く

  • 感想・お問い合わせ

    講演予定の問い合わせ等を受け付けています。